年末のご挨拶 これからのともだちひろばについて

年末のご挨拶 これからのともだちひろばについて

みなさん、こんにちは。ぼーちゃんです。

2022年も残すところあと1日となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。今年の年頭にやろうと思いつつも、できなかったことはありますか?僕は、ところどころお休みしながらも、なんとか朝のウォーキングを続けています。努力しないと健康は維持できないことを痛感するお年頃です。はい。

さて今年一年関わりのあったみなさん、ありがとうございました。

ともだちひろばを始めた当初、小学校5、6年生の子たちがくるのかな?と、なんとなく思っていましたが、蓋を開けてみたら3歳から5、6歳の子どもたちが最も多いように感じます。

2012年に福島で外遊びができない子どもたちを対象に始めたボランティアキャンプの経験を生かして始めたのがともだちひろばです。

福島のキャンプは6泊7日で、お子さんをお預かりして行うもので、デイスタイルで行うともだちひろばとは大きく異なります。なので、福島のキャンプと全てを同じにせず、1日みんな集まって、遊んで、バッと帰って、保護者も一緒にいるという状況のよさを大切にしようと考えました。知識や体験も大事だけど、もっと根元的で、これからを生きる子どもたちにとって大事なもの。

まず対象が小さいお子さんになったことで、より感覚的で感性に訴えるものにしようと思いました。文字や言語でのコミュニケーションより、感覚的なものの方が小さい子たちに届くだろうなと。

自然体験はそのひとつです。小さい子にとって、家の中にないもの、自然の中だからこそあるものを見る、触るといったシンプルなことがとても大切な刺激だと思います。多くの保護者のみなさんはここにそれを求めていらっしゃるのではないでしょうか。子どもが子どもであるうちに触れさせたいと感じるもの。それが、かに山キャンプ場とその周辺にたくさんあります。

そういう感性に響くものを大切にしつつ、ともだちって大事だなって思うのです。

僕自身のことでいえば、中学生ぐらいの時に難しい時期を過ごしました。不安や劣等感があって、それが必要以上の自尊心を育くみました。これが大きくなるとやっかいなことに、無意識に、過剰に自己防衛してしまいます。そしてそれは自分から他者を遠ざけることになりました。しかし時間が経つにつれ、大人になるにつれ、その感情は薄れていきました。特に何かに気づき、何かに取り組んだという認識はありません。

振り返ってみるとこれにはともだちという存在が大きかったと思います。大きなともだち、小さなともだち、年齢とか、学校、職場とか関係なく、自分という存在を特別視せず、ただただ普通に受け止めてくれた人たちがいたこと。そのことがとても大きかったと思います。

一緒に遊ぶって行為は「肯定」だと思うんです。そんな事を意識してみんな遊んでないと思うんだけど、自然と受け入れてるから一緒に遊ぶ。嫌なら遊ばない。だからこの遊ぶって行為は大人が思っている以上に子どもたちにとって重要な行為なんです。

子ども好きな大人の人が、精一杯、子どもと遊ぶ。すると子どもはその人にもっと遊んで欲しくて、はしゃいで、騒いで、もっともっとって。それは、その楽しさには、自分が受け入れられているというベースが必ずあって、その肯定が自分を楽しく気持ちにしてくれる大事な要素になっている。

近年、自己肯定感という言葉を聞く機会が増えましたが、これを育もうと思ったらいろんな人と一緒に遊ぶというのがよいと思います。一緒に遊ぶなかで失敗もして、そこで何かしらの否定が生まれたり、それが何かを考えるきっかけになったり。人と付き合うことは良いことも辛いこともありますが、自然と自己肯定できることで、そうした辛さを、自己中心だけではなく、他者視点で考えたり、いろんなことができるようになる、よいきっかけがたくさんあると思います。

ただ同時に、一見簡単に思える「一緒に遊ぶ」ですが、時と場合、人によってそれはそんなに簡単ではなく、まだよその子と遊んだ経験が少ない子や、他の子と共通項を見つけるのが難しい子にとっては、ハードルが高いことがあります。

そういうところで子どもは劣等感を抱えたりもしますが、それは環境によってかわる部分でもあります。

僕らの子どもの頃と今を比べると、さまざまな理由でよその子と遊ぶ機会が少なくなり、他世代の子と遊ぶとなると、さらに少ない感じを受けています。子どもにとって、年齢が違う子たちとの遊びだったり、世話焼きだったりは、その子たちの人間形成に大きく刺激を与える部分です。小さい子たちからすれば、同じ世代の子たちには見つけられない部分で付き合えたり、大きな子たちからしてもそうした子どもたちと遊んだり、面倒をみる中で、何某かの自覚が芽生えたり、気付いたりすることがたくさんあるように思います。

何を言いたいかといえば、多世代の人間が集まって一緒に遊ぶことで、ただ遊んで「楽しかった」という以上のことが子どもたちにはあって、それが自己肯定だったり、成長だったりと、成長過程でプラスの要因がとても多いということです。ただ「遊ぶ」だけなんですけど。

いわば僕もこうした状況にいつの間にか救われていて、落ち着きというか、内面の成長というか、そうしたものにつながったと思います。

ともだちひろばという名前には、一生ともだちとか、親友とか、もちろんそれは良いことなんだけど、そんなに高いハードルでなくても、その日1日一緒に遊んで、楽しくて、また遊びたいとかいう感情をもってもらえればそれでいいし、それがいいというか。それをしやすい環境が自然の中にはあって、ハンモックでも、ブランコでも、のこぎりでも、焚き火でもなんでもよいというか。そういう場所の提供を今後も続けてゆきたいと考えています。

それとこれを読んだみなさんに一つお願いといいますか。

できれば子どもたち全員を名前で呼びたいのです。そしてできればみなさんにもお互いを名前でよんでほしいと思っています。心の距離が縮まる第一歩は名前で呼ぶ。これがとても大切で、裏を返していうと名前を忘れたり、間違えたりすると距離が遠くなります。僕はこのことは結構真剣勝負で、鈍ってきた記憶をなんとか呼び覚まして名前を覚えます。ちなみに朝ウォーキングするのもそのためですよ!(嘘)

みなさんに強制しないし、したくないのでできる範囲でご協力いただけましたら嬉しいです。子どもも大人もともだちひろばでは名札を作るか、ガムテープに名前を書いてわかるようにしてもらえるとありがたいです。また名札をつくったら次回また持ってきてもらえるととてもありがたいです。好きな時にきて、好きな時に帰ってという会のため、みんなで自己紹介というのが難しいというのもあって。

今年もたくさんの子どもたちと関わることで、僕自身、とても元気をもらいました。また来年も、これからも子どもたちや、みなさんご家族にとって遊びを通じて、互いを尊重し、良い時間を過ごせれば嬉しく思います。

それでは良いお年をお迎えください。